春一番、肝硬変急死。肝硬変の原因、症状、治療、アルコールの関連性とは？

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春一番（はるいちばん、本名・春花直樹、アントニオ猪木のものまねで知られる芸人）が７月３日、肝硬変のために４７歳で急死したそうです。
春一番は無類の酒好きで、2005年には腎不全で生死の境をさまよい入院。長期休養を余儀なくされ、所属事務所は健康状態を考慮して飲酒をやめるよう進言したが、近年は1日おきのペースで飲酒。亡くなる前夜も酒を飲んでから就寝していたという。

ご冥福をお祈りします。

４７歳という若い命さえ奪う肝硬変とはどんな病気なのか？肝硬変の原因、症状、治療、アルコールの関連性とは？

調べてみました。

肝硬変とは

いろいろな原因によって発症した慢性肝炎が治癒せずに、長い経過を経て肝細胞の壊死(えし)と炎症、再生が起こり、肝細胞が死滅・減少し線維組織によって肝臓が変化し、肝臓が小さく、かつ硬くなる病気です。
つまり肝炎の末期の状態。
肝炎は可逆的（もとにもどる）であるが、肝硬変（もとにもどらない）は非可逆的です。
肝炎は、肝臓に炎症が起こり発熱、黄疸、全身倦怠感などの症状をきたす病気。
日本で発症する肝炎はウイルス性肝炎が約75～80%になり、ウイルス性肝炎でも特にA、B、C型が多くを占める。
6ヶ月以上の肝機能検査の異常とウィルス感染が持続している状態を慢性肝炎という。

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肝硬変の原因

肝炎→慢性肝炎→肝硬変と進行するため原因は肝炎とほぼ同じ。

• ウイルス性　A型肝炎（経口感染）、B型肝炎（ほぼ母親から感染、性行為感染）、C型肝炎（輸血などが原因）
• 自己免疫性肝炎
• 原発性胆汁性肝硬変
• 非アルコール性脂肪性肝炎
• アルコール性肝疾患
• ヘモクロマトーシス
• ウイルソン病

など、日本では、60%がC型肝硬変、15%がB型肝硬変、12%がアルコール性肝硬変。
C型慢性肝炎は輸血が原因となっているが、現在の輸血は、ウィルス感染の可能性のあるものは除外してあるので、それ以外の刺青や覚せい剤の回し打ちなどが原因になることも多い。

肝硬変の症状

• クモ状血管腫　　首や前胸部、頬に赤い斑点。
• 手掌紅班　　手のひらの小指側の丘が紅潮す。
• 静脈拡張　　食道静脈瘤、腹部の静脈の怒張や痔核。
• 黄疸　　眼球の白目が黄色くなる。
• 羽ばたき振戦　　肝性脳症を合併した場合、鳥が羽ばたくように手が震え意識障害や昏睡状態となることもある。
• 男性でも乳房が大きくなる。女性ホルモンが高くなるため睾丸が小さくなる。
• 末期では腹水、胸水、むくみ、下腿の点状出血がある。

肝硬変の治療

肝硬変そのものに対する治療薬はありません。
B型肝炎の場合には、エンテカビルやラミブジンという抗ウイルス薬を内服することによって肝機能の改善が期待できます。
C型肝炎の場合には、ウイルス型が２型であるか、１型でもウイルス量が少ない場合には天然型インターフェロンβという抗ウイルス薬注射による治療。
アルコール性肝硬変ではアルコールを中止する。

肝硬変とアルコール

アルコールは肝硬変を悪化させる。また、過剰なたんぱく質の摂取は肝性脳症を誘発し、過剰な塩分の摂取は腹水を悪化させることがあるので、禁酒及び食事中のたんぱく質、塩分の制限を必要とすることがある。
アルコールや食事の栄養過多による「脂肪肝」と「慢性肝炎」は別物で、脂肪肝はそのまま放置しても慢性肝炎や肝硬変に進むことは少ないと言われてきましたが、最近では将来、肝硬変・肝癌に発展することがわかってきました。またＮＡＳＨ（非アルコール性脂肪性肝炎）と言ってアルコールを飲まない人の脂肪肝も、肝硬変・肝癌に発展するケースが多くあるそうです。酸化ストレスが原因と考えられています。

つまり「肝硬変」になってからはアルコールは厳禁だけど、「慢性肝炎」でない「脂肪肝」のうちでもアルコールを控えたり食事に気をつけて肝臓を大切にしましょう。