宝石サンゴ(珊瑚)とは？意味、生息地、 ワシントン条約など

宝石サンゴ(珊瑚)とは

最近、中国の富裕層向けの宝石サンゴの密漁が目的とみられる中国漁船200隻以上が小笠原諸島や伊豆諸島周辺に集まって問題になっていたのは記憶に新しいですが、宝石サンゴについて調べてみました。

サンゴ(珊瑚)は植物のように思えますが、そもそも珊瑚虫（さんごちゅう）と呼ばれる動物なのです。
サンゴは腔腸動物で、炭酸カルシウムを主成分とした固い骨格を発達させます。
その中でも宝石サンゴ(珊瑚)とはどのような種類なのでしょう。
私たちのよく知っている珊瑚礁をつくるサンゴと宝石サンゴとは種類が分かれます。
Sponsored Link

珊瑚礁を形成するサンゴは､六放（ろっぽう）サンゴと呼ばれ、サンゴ虫の触手が６本かその倍数に分かれまます。
体内に共生する褐虫藻という植物が光合成を行うので太陽の光が必要ため、熱帯や亜熱帯の浅海（水深50ｍまでで水温20℃以上）に生息していて、その成長も早いのが特徴です。
テーブルサンゴ、すり鉢サンゴ、石サンゴなどやイソギンチャク類が含まれます。
宝石サンゴは八放（はっぽう）サンゴと呼ばれ、触手の数が８本です。
太陽光がほとんど届かないくらいの冷たい深海（水深100ｍ以上）に微小な浮遊物などを捕食して生息していて、その成長も遅く1cm成長するのに50年近くかかる種類もあり、希少価値とされています。

宝石サンゴの種類

宝石サンゴの種類には、赤珊瑚（アカサンゴ）、桃珊瑚（モモイロサンゴ）、白珊瑚（シロサンゴ）、ピンク珊瑚（ピンクサンゴ）などがあり、それぞれ生息域や生息する水深が違います。
宝石サンゴの採れる海域は日本近海やアジアなおの西太平洋、ハワイ・ミッドウェー海域、地中海などです。

名称		生息域	生息水深
赤珊瑚（アカサンゴ）	日本産・血赤珊瑚	小笠原列島・五島列島・奄美・沖縄・宮古島周辺)	水深100～300ｍ
	地中海産・赤珊瑚	イタリア・フランス・スペイン・チュニジア・アルジェリア・ユーゴ・ギリシャ	水深50～200ｍ
桃珊瑚（モモイロサンゴ）		小笠原列島・五島列島・奄美・沖縄・宮古島周辺	水深200～500ｍ
白珊瑚（シロサンゴ）		南シナ海、沖縄近海、五島列島から長崎沖、土佐湾	水深100～400ｍ
ピンク珊瑚（ピンクサンゴ）	深海サンゴ	ミッドウェー海域	水深1000ｍを超える深海
黒珊瑚（クロサンゴ）	他の宝石サンゴとちがい六放サンゴ	ハワイ	水深50ｍまで

宝石珊瑚とワシントン条約

宝石サンゴは､古くから珍重され密輸や乱獲が大きな問題となっていたが、2008年にワシントン条約（絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約）で輸出入が規制されるリストに加えられた。
その対象となったのは、、アカサンゴ(Paracorallium japonicum )、モモイロサンゴ (Corallium elatius)、 シロサンゴ (Corallium konjoi)、ミッドサンゴ (Corallium secundum)の4種類。
ワシントン条約附属書Ⅲ類に掲載され、2008年7月1日より国際輸出の際は輸出国管理当局が発行する輸出許可書、または原産地証明書等が必要とされている。
なんと申し入れをしたのは中国だというから驚きです。
申し入れをしたその国の漁船が他国である日本まで来て密漁しているのですから。
まぁあきれてものが言えませんね。
11月11日になって、やっと、密漁漁船が出港した浙江省象山県の浙江省政府がサンゴ密漁船を厳しく取り締まると言っているようですが、はたしてどうだか(笑)